【内容】
日常の素朴な疑問を、ハテナ博士が懇切丁寧に解説してくれるQ&A式の絵本。横断歩道がなぜしましまな理由、かき氷を食べると頭痛がする理由…26個の質問は、全てへんな生き物のせいだった!
世界初公開の珍妙な生き物の生態と、人間社会の仕組みを、誰でもわかるように絵で教えてくれる。
【感想】
この作家(グループ)は、普通のことは書かない。タイトルからして期待。
予想をはるかに超えた、すごい変な生き物たちに圧倒される。
例えば、二十歳超えている人に聞きたいが、「なんで、梱包材のプチプチを見るとつぶしたくなるの?」と質問されて、あなたは答える事ができるだろうか。子どもの純粋無垢な瞳に見つめられ続ける沈黙の、気まずい時間を想像し、私は戦慄した。
ああ、無駄に人生生きてきてしまった。なんというぼーっとした人生だったのだろうか。どうってことのなさそうな質問一つにも満足に答えられないなんて…
26の質問にすべて答えられた博士の、長年の研究に心から敬服いたします。
子どもには、社会や世界の仕組みを新しく発見する良書に。
大人には、別の意味で社会や世界の仕組みを新しく発見する良書、および人生の意義をとらえ直す哲学書として。
是非ともお勧めいたします。
何にも用事がないような暇な時間帯に、寝そべって、口を開けて、ボヤっとして、年齢と性別と人類であることをすっかり忘れて、お楽しみください。
読後は決して博士の答えに、疑問をさしはさんではいけませんよ。それが賢い態度であり、粋な大人になる方法です。