北海道の湖に春が近づき、北の国に帰るためいっせいに飛び立ちました。その中に、子どもが病気で出発できない6羽の家族がいましたが、家族は旅立ち、残された子は悲しい声で泣きます。その声に引き戻される家族。その夜、家族に見守られ、子は息を引き取ります。湖に照らされた月の光からは荘厳な世界を感じます。家族は息絶えた子を見届け再び飛び立ちます。ようやく北の国にたどり着いたおおはくちょうたちの見上げた空に、亡くなった子どもの姿が浮かび上がったシーンはあまりに壮大なスケールでした。迫力、家族の愛、様々なものが詰まった素晴らしい作品です。大人も子どももぜひ読んで欲しいと思います。