舞台は大正時代の長崎県。
行動的な美青年、北川光雄は「幽霊塔」と呼ばれる古い建物で、絶世の美女、野末秋子と出会い、心を奪われます。
幽霊塔は、殺人事件があったとか、オバケがでるとか、宝物が隠されているとか…謎に包まれた屋敷。
そして、野末秋子にも、大きな秘密が隠されていそうです。
北川光雄は、野末秋子と幽霊塔の謎を解くべく奮闘するのですが…。
とにかく雰囲気が、不気味。
次から次へと、怪しい人物や舞台が現れ、美男美女が困難に立ち向かう。
ロマンです。
それぞれの人物の行動の動機や考え方が、現代の小説より純粋で、「いやいやいや…」と突っ込みたくなる場面もありますが、それもまた、よし。
ミステリーもしっかりしていて、納得の結末。
巻頭の、宮崎駿さんのカラー口絵(エッセイ?)は、必読です。