この絵本は、バレリーナ、アンナパブロワの一生を描いています。
貧しい中、体形にも恵まれなかったアンナですが、人一倍の努力と情感豊かな踊りで人々を魅了します。
貧しい中、本物のバレエをアンナに見せたお母さんの思いに胸が熱くなります。幼いけれど純粋な心に本物の素晴らしさがストレートに伝わったのだと思います。
その貴重な体験が、情感豊かな踊りに現れたのだと思いました。
また、一生をかけられる好きなものに出会えたアンナは、ある意味で幸せだったのだと思います。
貧しかったアンナはバレリーナとして有名になった後も、いろいろな人にバレエを楽しんでもらいたいと精力的に各地を回ります。その行動は、尊敬できます。
アンナの最期は、とてもあっけなくはかないものでした。
そのはかなさを繊細で色調を抑えた挿絵がよく表現しています。
静かな感動を呼ぶ絵本です。