カブト、クワガタムシの絵本は数あれど、この絵本は別格の存在感があります。
タイトルの字体と雰囲気が昭和っぽい上、出てくるムシ達が円谷プロの怪獣のようで、どこか懐かしくパパ達の心をもくすぐるんでしょう。(作者の山本孝さんは僕と同い年で、おそらく同じようなブームを経験してきたので通じるものがあるのかも知れません。)
大好きで、憧れの存在でもあるカブトやクワガタだからこそ決闘させてどれが強いか試してみたい。自分のムシが一番強いはず、そうあって欲しいと信じるのは男の性なのでしょうか。それも世界中から図鑑でしか知らないような格好いい舶来モノのカブトたちと、日本古来の身近なクワガタがガチンコで戦うんですから、ワクワクしないはずがありません。
臥体からしてカブトが有利に思えるんですが、息子に「どっちを応援する?」と聞くと迷わず「カブトムシ!!」との答えに「じゃあパパはクワガタにするね」という具合で、親子で応援に白熱して絵本の世界に入り込んでしまいました。
小が大を蹴散らしたり覆面レスラーが登場したりと、全く予想ができない展開で繰り広げられ、迎えた大将戦では大方が予想しそうな技が出て、「決まった!」と思った次の瞬間‥「???」何が起きたのかすぐには理解できなかったのですが、最後はみんなで力を合わせて“めでたしめでたし”で終われてほっとしました。
仕切り直しという訳ではないですが、翌日息子が予想通り「今日も読む」と言って持って来たので、相当気に入ったのがわかりました。
(プロレスといえば「♪チャ〜ンチャ、チャ〜ンチャ、チャンチャチャンチャチャン‥♪」というテーマソングを口ずさみながら読むとさらに盛り上がって、子供たちも喜ぶと思いますよ。)