知り合いから頂いたこの本を、娘が読んで、いたく気に入り、
私に薦めて来ましたので読んでみました。
登場するのは、三人の農場主。いずれも成功者で金持ちでした。
そしていずれも、いけ好かないしみったれ。
名前は、ブヨブク、ブクゼニ、ゼニシブリ。
しりとりのような三者の名前です。
そんな三人が飼育しているニワトリやアヒル、七面鳥を、
ちょっと失敬していたのが父さん狐。
ある日、彼らに巣穴を見つけられ、
おおがかりなトラクター攻撃を受けます。
狐一家は、死に物狂いで、地下にトンネルを掘って逃げます。
けちで意地悪な三人の農場主と父さん狐の知恵比べが始まります。
愛する家族のためとはいえ、父さん狐の賢さは必見。
あっぱれとしかいいようがありません。
一方、人間の間抜けで愚かさは、ただただあきれるばかり。
同情の余地なし!です。
だから、父さん狐の活躍は素晴らしく、読んでいて気持ちがいい。
自分は人間でありながら、きつねたちを応援しているのです。
きっと、娘もそうだったのでしょう。
それくらい、父さん狐に入れ込むほどのおはなしだったと思います。
この物語の中で、私が印象に残ったことばがあります。
「ほんのちょっぴりでも気がとがめないのかい?」という穴熊の疑問に、
父さん狐が答えます。
「この世のどこに、わが子が飢え死にしそうだってのに、
ニワトリの2羽や3羽くすねもしない親がいるか?」
家族の為に頑張るのがおとうさんです。
こんなおとうさん、素敵だと思いませんか?