目を惹くはっきりとした表紙絵です。タイトルも印象的でした。
“ノックノック”、主人公のぼくの部屋をノックするパパの音。
なるほど!
このお話は作者の体験を基に書かれたそうで、実際作者のお父さんもある日突然家からいなくなった。『投獄』されたそうです。
なぜ、どんな理由での投獄なのか、特に説明はありませんでした。
ただ、このお話はアメリカならではの世界観が背景にあるようです。
日本の子どもたちに読んであげたり、勧めたりするときは、読んだ子どもたちが何か疑問を感じても、きちんと答えられるだけの情報を収集してからのほうが良いかもしれません。
それを子どもたちに伝えるか伝えないかは別にして、読み手(紹介する側)が、よくわかっていない物語を読むと、聞き手の子どもたちのアンテナは意外とそういうところに敏感に反応するので、物語の中身が伝わりにくいことがあるようです。
ブライアン・コリアーの描くこの絵本の挿絵は、とても個性的で、水彩とコラージュを使って表現されています。
コラージュっていうのは、現代絵画の技法の1つで、のばらばらの素材(新聞の切り抜き、壁紙、書類、雑多な物体など)を組み合わせて表現する方法です。
これがまた、作品のイメージとマッチしていて見ごたえがありました。
お勧めは小学校高学年以上です。