声で心で、みんながたくさん泣いています。
レトロな装丁で
酒井駒子さんのキュンとなる、絶妙なイラストが素敵です。
なきむしこぞうを含む三びきのぬいぐるみは
ある日家出をします。
あのこからのいじめみたいな日常が嫌で。
でも行く先が不安で迷い、
あのこの悲しむ様子を知って迷ってしまいます。
なきむし。
子どものころ、自分もそうでした。
読みながら想い出します、
ずっと夕暮れの中みたいな、そんな泣きたい気持ちを。
たまには泣き狂うこともありました。
でも時間が経つと、反動で冷静になり
結局どれも些細なことに思えるのです。
あのこは、らいおんの、きょうだいなのかなあ
らりろんがそう言ったみたいに
ぬいぐるみたちはそれぞれ気づきます、
離れようとしているあのこは大事な人。
家出し、外から見て初めて、
今までいた家が、あのこの横こそが、
自分たちの場所だと気づいたんです。
優しい光のあるラストで、
晴れ晴れとします。
優しさが詰まっていて、どこか懐かしい。
読むと温かい気持ちになれる絵本です☆