この絵本と出会ったのは私が高校生のときでした。文章はまったくないのに、柔らかい暖かな絵で全てが表現されていてとても感動し、その場で父に買ってもらいました。ある朝、目がさめた少年は外に雪が積もっているのに気づき、庭に飛び出していって大きなスノーマンを作ります。夕飯の時もテレビを見ているときも,歯を磨いているときも、寝る前も、窓から見えるそのスノーマンが気になって仕方ありません。夜中にこっそり起きてみます。うーん気になるなぁ・・。一度はベッドに戻って見るもののやっぱり気になって起きて外に出てみると・・・スノーマンがお辞儀したではありませんか!そこからスノーマンと少年の楽しい一夜が始まります。いたずらしたり、一緒にご飯を食べたり、一緒に空を飛んだりします。そんな楽しいスノーマンとも朝になるとお別れです。最後はとても悲しい結末が待っているのですが、あまりに切なくて店頭で涙ぐんでしまいました。私が好きなシーンは何と言っても助走から空を飛ぶシーン!本当に素晴らしい!私も一緒にスノーマンと空を飛びたい!深々として凛とした、雪降る夜の魔法の夢なのでしょう!スノーマンと飛ぶ空は星がきらきらしていて、深々と静かできりきりと澄んでいて、その中をビュービュー風を切って、でもちっとも寒くなくて・・・それが絵本から伝わってくるのです!スノーマンの無垢な白さに、純粋さに心が洗われます。ああ、それにしても最後のページはいまでも涙が出ます。大人にも是非とも読んでもらいたい素晴らしい絵本です!