冬の訪れを感じさせるような ちょっと寂しげな表紙。そして、題名から、死んじゃったルリユール(名前)おじさんとの思い出のお話…?と勝手に想像していました。絵本ナビの紹介がなかったら、手にとることがなかったと思います。
ルリユールとは、製本という意味の言葉。
ルリユールおじさんは、手作業で製本、装丁する職人さんだったのです。
お話は、少女ソフィーが大切にしていた図鑑が、バラバラになってしまったところから始まります。本を直してくれる人を懸命に捜すソフィーと、物静かなおじさんとの出会いまでが、やさしいタッチのイラストと短い言葉でステキに表現され、まるで映画を観ているような感覚を憶えます。
本を直していく作業工程も、おしゃまなソフィーとの交流、同じ本造り職人だった父親との思い出を通し丁寧に描かれていて、思わず「すごいな〜。」と見入ってしまいました。
そして、生まれ変わったソフィーだけの大切な図鑑。ルリユールおじさんの素敵なプレゼントに、私まで心が躍り、ホンワカあったかな気持ちに…。
職人さんって、人を幸せにしてくれる魔法使いなのかしら…?そんなことを思わせる、とっても素敵な本です。