大好きな植物図鑑がばらばらになってしまったソフィーは、本をあきらめきれなくて、「本のお医者さん」ルリユールおじさんを探し当てます。
仕事場にいりびたる彼女を邪魔者扱いすることもなく、おじさんは優しく工程を説明するのでした。
「ソフィーの木」と名づけられ新しい命を吹き込まれたその本は、二度とこわれることはなく、後年ソフィーは植物学者になるのでした。
いせひでこさんの柔らかい水彩画は、見ているだけで心が温かくなります。
特にルリユールおじさんの回想場面。お父さんの手。「木のこぶのようだった。」と表現されていますが、いくつかの工程を手のみで描いていますが、とても暖かみを感じます。
引越しの整理時に出てきた、私が子供の頃読んでいた、大好きだった絵本(とっておいた母にもおどろきましたが)は勿論ぼろぼろでした。ためらいつつ、心を鬼にして処分しました。
あー、ルリユールおじさん、出会いたかったです。