一昨年は、「鬼は〜内!」と豆をまくおじいさんのお話。
去年は、「泣いた赤おに」と毎年節分の季節に何か鬼にまつわる
お話を読んできました。今年はこの「島ひきおに」
たった一人で生きている鬼は、鳥にも人にも遊んでもらえず
大あらしで流れついた漁師の苦肉のアドバイス
「島をひいてきたらいい」に喜び勇んで島を人の住む里に
引っ張ってきます。
鬼の恐ろしい姿を見て人々は恐れ慄き知恵を絞って
鬼を他の里へと追いやります。ついには「南の島に人と鬼が
楽しく暮らす島がある」と嘘までついて鬼を遠ざけます。
鬼の気持ちが手に取るように分かるから、悲しくて
切なくて、読んでいて泣きそうになりました。
なんて理不尽なんだろう、見た目だけで悪い鬼って
思っちゃ駄目だよね。とひとしきり子供と話しましたが
ふと考えました。
突然山の様な大きな鬼が「遊んでいけ」と野太い声で
言って現れたらそれはそれは怖いだろうと。
何があっても自分や家族を守ろうと必死になっている
人には鬼の気持ちを思いやるだけの余裕などない
弱さがある。
どうやったらそんな人と鬼が楽しく暮らしてゆけるの
だろうね。鬼も突然登場しないで少しづつ近づいてゆく
等のアピールをしていたら良かったかもと話し合いました。