ポプラ社から出ているノンフィクション・シリーズ26巻です。
ノンフィクションですから、実在する人物のお話です。
本書の臼井さんは数年前からメディアにも登場することが増えてきていたので、見たことのある人もいるかもしれません。
職業は「義肢サポートセンター」の義肢装具士です。
天職な仕事とはこういうものなのでしょう。
臼井さんは、義足を必要とする人はどういう人か、その人がたちが楽しく前向きに生きていくために義足はどうあるべきなのか、
常に必要とする人の笑顔と元気を第一に考えて、新しい義足作りに挑戦していく人でした。
義肢装具士としてメインの仕事は、普通の生活用の義足ですが、臼井さんは他にスポーツ競技用、ミニスカートをはきたいという願いをかなえるために作った“リアルコスメチック義足”などを作っています。
これらの義足を利用してアスリートしての人生を再スタートする人たちも増えたようです。
この本にはその中で、義足を利用している人たちを何人か紹介しています。
わたしはその中の一人、「鈴木徹」さんの講演を聞いたことがあります。
その時、生でスポーツ用義足も見ました。あれは臼井さんが手がけた義足だったんですね。そう思ったら、臼井さんがなんだか身近に感じられました。
1章1章はそう長くはありませんし、この本を読む子どもたちのことを考えてか、言葉は簡潔でわかりやすい内容でした。
小学校の高学年くらいから十分読める作品だと思います。