“ロシアの昔話”というのに魅かれて、中身も見ずに借りたのですが、読み始めると、おお!これは昔大好きで何度も読んでもらった『せむしの子馬』ではないか?と思いました。
けれど読み進めると、展開が違うのです。
3人の息子という設定と、金色の馬が毎夜畑を荒らすというエピソードが同じだけでした。
また、主人公は“イワンのばか”と呼ばれているのですが、『イワンのばか』というお話とは別のものでした。
ロシアの昔話では、『ガラスめだまときんのつののヤギ』と『きつねとうさぎ』の展開がそっくりだったので、結構昔話って、たどっていけば、根っこが同じということが多いのかもしれません。
さて、お話は、昔話によくあるパターンの3人兄弟の末っ子の昇進物語です。
馬鹿者扱いされている末っ子が、運がいいだけではなく、自分でも機転を利かせて状況を上手く乗り切っていますし、なかなか愛嬌があって、応援したくなる人物設定でした。
文章量も多いのに、次男も最後までよく聞いていました。
いろいろ考えるようになった娘は、「なぜお姫様はいつもとても美しいという設定なのか」「○○ができた者と姫を結婚させるというおふれなんか出して、○○の技術だけ持ってて物凄く性格の悪い男が来たらどうするんだろう」などと、突っ込んでいました。