さて、クマが恩を感じてお礼に来るだろうか?
そう感じながらも読み進める。
一人で留守をあずかる太郎を見て、唇をかむ。
戸口をたたく音でおびえるが、戸口に立った太郎に勇気をもらう。
現われたクマの親子を見て、はなしの中へ入っていった。
子どもの先導役を太郎がしているらしい。
このまま感化されるか、反感するか、読み手も興味がわく。
昨今の環境破壊による食物連鎖の乱れを問うおはなし。
人がその中心にいることは、間違いないのに
次世代を担う子どもに、正直に対峙できない。
いったいぜんたい大人は、どうしたものか?
太郎はすべてを知ったうえで、父にもクマの来宅に口を閉す。
子どもは「どうしてだまってるの?」と尋ねてきた。
うーん、どうしてだろう…と、言い渋る私。
大人が読んで、もっと考えなきゃ、いけないね。
感謝、中川正文さま。