情報が豊富な時代だ。何か調べたいことがあればすぐに出てくる。
たとえば成績アップでも、自分の状況に合わせてカスタマイズすることだって可能。
その反面、息苦しさもある。選択肢が多い中どれを選択すれば浮かないのか。そんな時代を空気感のうまく取り入れながら、物語は進行していく。
新しい学校でリセットを願う穂木。先に転校しクラスで浮いた存在になった陽菜。クラスの空気を牛耳る萌奈。
女の子同士のつきあいの面倒くささ、クラスの中でどのグループにいていかにいじめられないかは、学校の中ですべての子どもが抱える死活問題。
ともすれば重くなりがちなテーマだが、読みやすくスピード感のある文であっという間に読め、痛快なラストだった。
YAジャンルだが、友だち関係に悩む高学年の女の子にもよさそうだ。