なんともステキなタイトルです。
てっきり、色々な本で出来上がった庭を想像しました。
絵本はさしずめ可憐な花、百科事典はたくさんの知恵がつまった古木、雑誌の類はハーブ園、時代小説は苔かもしれません。
そんな庭ってどんなのだろう。
でも、この絵本のタイトルをわかりやすく書くと、「ほんの(どこかに載っている)にわ(の絵)」なんです。
そんな庭を見つけに、ページを開きましょう。
主人公は「にわし」。
ひらがなではわかりにくいですが、漢字で書くと「庭師」。
庭の手入れをしたり新しい庭をつくるのが仕事。
なくなったお父さんも庭師で、お父さんが残した本の中に「ほんのにわ」を見つけます。
そこには見たこともない草や花の写真が載っています。
主人公はそんな庭が本当にあるのだろうかと一生懸命探すのですが、見つかりません。
ところが、ある日、主人公はそんな本の世界にはいってしまいます。
そして、気がつくのです。
これは自分が子どもの頃に地面に描いた、想像の草花だってことに。
夢物語みたいなお話って言わないでください。
最後のページに描かれた、「ほんのにわ」に夢ではない証拠がちゃんと残っています。
見つけられるかな。
みやざきひろかずさんが描いた世界のなんと素敵なことでしょう。
淡いけれどすっきりとした色合い。彩りという漢字をあてたくなる、そんな絵本です。