過酷な労働に追い立てられる1羽のあひるどんが主人公です。農夫ののらくらどんは、その名のとおりの怠け者。家事、農場の仕事はあひるどんがすべて切り盛りしていました。これを見かねた農場の動物たちは知恵を出し合って、ある計画を立てます。
疲れてフラフラのあひるどんの姿が涙ぐましい絵本です。ストーリーはよくある展開かもしれませんが、なんといっても1番の魅力はオクセンバリーの表現力豊かな絵と動物たちの鳴き声でしょう。「ぐわっ!」「もおおっ!」「めええっ!」「こけっ!」――これだけでコミュニケーションをとる動物たちの姿がほほえましいです。完全に擬人化せず、動物のままで話す姿がユーモラスなのですね。
画力は、さすがです。のらくらどん、あひるどん両者の表情を見ているだけで、もう大満足という感じ。息子にはすでにおなじみのお話でも、やはり、絵と音が魅力なのだと思います。娘といっしょに聞き入っていました。
それにしても、あひるどん、よく頑張りました。心から拍手を送ります。