新しいものを手に入れる喜びと苦労が、このシンプルな絵本にぎゅっと詰まっています。
ペレが自分の羊の毛を刈り取るところから、その毛が新しい服に仕立て上がるまで。それぞれの作業を上手にできる人に手を借り、その代わりに自分ができる仕事を引き受けるのです。
今は何でも簡単に手に入る世の中。
途中でどれほどの人が関わり、どういう過程を経てそれが出来上がっていくのか、なかなか見る機会がありません。
こういう絵本でそれを垣間見ることによって、自然とものを大切にする心が育っていってくれたらいいなぁ。
そして何より、羊さんにありがとうと感謝するペレの気持ちに共感してもらいたいと思いました。
ベスコフさんの美しくあたたかみのある絵も素晴らしいです。