スタイグの本って不思議です。
「大好き」とか「いいわ〜」とか思ったわけではないのに、何回も読んでしまったり、見つけると必ず手に取ってしまったりするのです。
この本も図書館で見つけて、思わず手に取り借りてきた、まさにそんな一冊でした。
でも、この本は、一読して「いいわ〜」と思ったのでした。
お百姓のパーマーさん(ブタ)と、雇いのエベネザーじいさん(ロバ)の波乱に満ちた一日の物語です。
町へ野菜を売りに行き、全部売れて家族へのお土産や自分達のお楽しみを買ったまでは良かったのですが、帰り道で大雨に遭い、難儀してしまいます・・・。
この主人公二人がとっても人間臭くて楽しいですし、二人のやりとりも等身大で面白い。
血の通った生き生きとした物語になっています。
そして、凄いなと思ったのは、最後まで我慢してきちんとお話を完結させているところです。
最近、クライマックスがきたと思ったら、風船がしぼむように終わってしまい、「あれれ?」と思うお話が多いのですが、スタイグはしっかり踏みとどまって、きちんとお話を完成させているのです。
スタイグの凄さってこういうことだったんだと、思い知りました。