モンゴル民話です。
ハイリブという若い狩人が白ヘビを助けるシーンから始まります。
助けた白ヘビはなんと竜王の娘で、助けていただいたお礼をします。
そこでハイリブは、竜王の娘に教えられるままに宝の玉を手に入れることに。
宝の玉は、口に入れれば鳥や獣の言葉が何でもわかるんですね。
でも、このことを他言すると石になってしまうという忠告を受けます。
絵本のタイトルが、「いしになったかりゅうど」ですから、ハイリブが
石になることは予想はついてはいたのですが、どんなタイミングで
石になってしまうのか、ドキドキしながら読み進めました。
鳥や獣の言葉がわかるからこそ、事前に知ることが出来た災害。
村のみんなを災害から助けるために、彼は全てを話してしまうのです。
自己犠牲。 それが、ハイリブが自ら選んだ道でした。
村人に信じてもらうために。村人を救うために。
ハイリブの決断は、悲しいまでに勇敢でした。
思わず、斎藤隆介さんの「八郎」や「三コ」を思い出しました。
それにしても、白ヘビはなぜハイリブに宝の玉を選ぶように言ったのでしょう?
蔵にはたくさんの竜王の宝物があり、どれでも選ぶことが出来たのに。
ハイリブの自己犠牲の背後には、白ヘビが密かにハイリブに託した
なんらかの使命が隠されていたような気がしてなりません。
いずれにしても、心に残る素敵な作品には違いありません。
ハイリブの自己犠牲の精神、子どもが読んだらどう理解するでしょうか?
是非、子どもにも読ませたいと思います。