絵の魅力に惹きつけられる不思議な作品。
長い休み明け、学校に行きたくないと母に駄々を捏ねた子供の頃を思い出します。
家で何の不満もなく幸せそうに寝ている猫と代わりたい!と羨んだり、自分の身代わりになって兄弟姉妹が学校に行ってくれないかな、と本気で思っていました。
学校が嫌で、お家にあるぬいぐるみの動物にコロコロ変身するエディ。
外に居ても、心はずっと家で閉じこもったままなんですね。
初めて読んだ時、子供にはちょっとわかりにくいかなと思ったのですが、そういえば変身は子供の方が大得意。
この絵本、最初動物にしか瞳がないのですが、途中にある、鏡を覗くシーンで初めて瞳が描かれているのが印象的。
学校に行きたくない心の内をママに明かすことで、登場人物に命が吹き込まれます。色彩の淡さは変わらないのに、絵本の世界が急に色濃く鮮やかになる、心情の表現方法に惹かれました。
どうしても一歩踏み出せない時や、もやもやした気持ちをリセットしたい時におすすめです。