自国で命の危険に晒され、日本に難民として来日した人たちを取材。現地のそれぞれの事情、日本に入国するまでの経緯、日本での生活、難民申請の厳しさなど。
この本では、シリア、ミャンマー、ロヒンギャ(民族)、ネパール、バングラデシュ、カメルーン、カンボジア、クルド人(民族)が紹介されている。それぞれの地域での社会問題、命の危険に晒された時の状況、難民として国外に逃げなければならなかった状況など、込み入った内容が非常にわかりやすくまとめられている。
外国の話だけではない。
入国した先(日本)での難民申請の厳しさ、入国の難しさ、生活の厳しさ。子どもは日本の学校でいじめにあうし、大人は非常にわかりにくい仕組みのためにまともに働くこともできず、路上生活を経験したりするなどの過酷な状況に置かれる。
日本での「難民」の存在や、理解は殆どない。
もしこれが自分の事だったら、どうしようか?と思いながら読み、何度も涙した。世界にはまだまだ理不尽な人権侵害や、意味不明の決まりなどがはびこっていることを、知る。
私たちは未来をどのようにしたいか。どのような状況なら幸せと言えるのだろうか。それを考えさせられる一冊。
大事なことなので、人生の早い時期に是非読んで、知っておきたい。