のほほんとした画風の馬場のぼるさんが、どんなアラジンの世界を描いてくれるのかと楽しみで借りてきました。
お話は面白いのですが、文章量が多いので、読み聞かせには時間がかかります。我が家でも躊躇しているうちに、子ども達に読む機会を逃してしまいました。残念です。
というわけで、私だけの感想ですが、実は私はアラジンが嫌いなのです。なんにもしないでランプや指輪をこすっているだけのオトコなので。おまけに欲だけはあるので、読んでると腹がたってきます。お姫様と結婚したかったら、もっと自発的に行動して、自分を磨きなさい!
むしろ悪役の魔術師の方が、頑張っていて好感が持てるほどです。
ディズニー映画では、そんなことでは子ども達に見せるのに良くないと思ったのか、なかなか働き者のアラジンになっていますけれど。
この本でも、アラジンのグータラ振りは変わりませんが、のほほんとした絵のせいか、さほど腹はたちませんでした。
もともと内容的には、ランプの精、指輪の精、魔術師、王さまとお姫様、豪華絢爛な御殿など、面白い要素がてんこ盛りですし、スケールの大きさは天下一品なので、主人公に腹さえたたなければ、どっぷりとこの世界に入り込んでしまいます。
またこの本は、語り口がとても面白い。アラビアンナイトのお話なのに、ちょっと講談風になっていて、日本の『アラジンと魔法のランプ』になっています。
長いのでくたびれるかもしれませんが、声に出して読んでみると楽しさが倍増するような気がします。