オリビアシリーズのうち読んだ中では最傑作です。
花火にはバンドがつきもの、とオリビアは家族でバンドを組むと言い出します。お母さんが想像したのは音楽の「バンド」。オリビアが思い描いているのはパレードの「バンド」。両者の思い違いがお話を盛り上げています。
やりたいことまっしぐらのオリビア。「また変なことを言い出した」とあきれ加減のお母さん。状況を全く理解していない赤ちゃんウィリアム。どの表情も愉快だし、生活感が出ていてすんなり本の世界へと引き込んでくれます。
花火のシーンの描き方が特に気に入りました。黒色の濃淡だけで姿を描き、オリビアたち縁の部分だけ黄色で彩色し花火で照らされている様子を表す。まるで写真のワンシーンを見ているようでした。
デザインの練習にも参考となる作品です。各ページに2〜3行しか文字が無いのですぐに読みきることが出来ますよ。