たまごのカラをやぶらない、たまごにいちゃん。
お母さんが「はやくおおきくなるといいわね」といっても、
「いいえ。ぼくはこれでいいんですよ、おかあさん」とつれない返事。
だって、たまごのままでいれば、
いつでもおかあさんにあたためてもらえるから…
うちの息子は、ちょっと甘えん坊なのですが、このたまごにいちゃんと、ちょうど私の中で、かぶります。
一丁前に偉そうな理屈をこね、「おれはね」「おれはね」とお兄さんぶっていても、
夜になれば、お母さんと一緒じゃなきゃ寝られない、と甘えてくる、泣き虫のわが息子。
でも、早くしっかりして欲しい一方で、まだまだ小さな私の赤ちゃん、などと考えている自分もいるのです。
小さな自分を楽しむたまごにいちゃん。
でもいくら望んでも、大きくならないわけにはいきません。
石にぶつかって、カラがくしゃ、というシーンでは、
ちょっとせつなくなってしまいました。
我が家のたまごにいちゃんは大笑いでしたが。
最後のたまごにいちゃんのセリフ
「うん、きみ わるくないよ」の一言が、効いています。
せつなさの中に、ちょっぴり誇らしさが混じったマーブル模様の心が分かるような気がしました。
…さて、うちの子供はいったい、いつカラが割れるんでしょうか?
とりあえず、堪忍袋の尾を切らして、母自らが卵をガンガン叩かないように、気をつけねばなりませんね。