いま流行りの「食育」の絵本なんだなと思って軽い気持ちで手に取りました。我が家は、普段は5分づき米を鍋で炊きます。玄米や雑穀米の時もあります。なので、目にまぶしい白米やどーんと大きな炊飯器は私にとっては馴染まないものだなと思いながらページをめくりました。
リズミカルな言葉と写真で分かりやすく丁寧におにぎりの作り方が載っています。これをよんでもらったら、きっと子どもたちはおにぎりを作りたくなるでしょう。
そして最後、裏表紙の言葉にはっとしました。「子どもたちが、自分ひとりでもできるようにと思って、この絵本をつくりました」とありました。炊飯器で良かった。白米で良かった。
義理の姉は、阪神大震災の時、震源地から少し離れていたので直接の大きな被害はなかったものの大きな揺れを経験しました。揺れが収まってからすぐにしたのは、お米をといでごはんを炊き、おにぎりを作ること。後日その話を聞いてから忘れられません。おにぎりがあれば、まず何とかなる。高山さんの「おにぎりは いのち玉」という言葉と通じますね。
読んで、作って、食べて、完結する絵本です。子どもさんと読んだら、ぜひ体験させてあげてほしいなと思います。