この絵本は、六年前に母が亡くなった時、お世話になった病院の院長先生からいただきました。「大事な人を亡くした時は、思い切り泣いていいんだよ。そして、今度は、自分の心の中で、いつまでも生きてもらえば、それでおかあさんは喜ぶのだから…」
その時は、辛くて、この本を読むこともできませんでした。なかなか、『死』を受け入れられず悩んだ日々…この絵本はずっと閉じたままでした。向き合うことができないまま月日は流れ…
つい先日、図書館で、ふと目に止まり、なぜか借りてきてしまいました。
もっと、早く読むべきでした。
あなぐまは賢くて、いつもみんなに頼りにされていました。たいへん年をとっていて、知らないことはないというぐらい、ものしりでした。でも、自分の死が近づいていることをわかっていたのです。
悲しんでいるばかりではいけないんですよね。その死を、決して無駄にすることなく、その思いを、教えてもらったことをいつまでも忘れず、そして、伝えていくことが大切なんだと、改めて思いました。
『命』の重さを考えるすばらしい絵本です。
ただ、『読み聞かせ』で、最後まで読めるかどうか、自信がありません。