動物を主人公にしての寓話が続きます。
話は現代的でシニカルです。
笑える話が多いのですが、最後の一言がよけいだと思います。
むしろ最後のひとことにつなげようとする強引さを感じます。
けれども、1冊の中にこれだけの寓話を盛り込んであることと、一つ一つの話のひねりについては嫌いではありません。
無理な説教よりも、話の中に詰め込んであるものを読者に解読させると、この本の面白さも倍増されると思います。
イソップ寓話の絵本は嫌いではありませんが、先に岩波の『イソップのお話』で完全版を読んだときに、300篇の寓話のそれぞれにまとめの一言が鼻についた私です。
読者のイマジネーションを大切にすることも絵本として重要なことかと思います。
ひとこと多いと、せっかくのごちそうも人の味覚をじゃますることがあるものです。