こどものとも515号
ちいさないえは、ハーモニカの好きなおじさんとたのしく暮らしていました。
ところがある朝、「とおい まちへ いってみたくなった」とおじさんは旅立ってしまったのです。
おじさんと歌ったうたを歌いながら過ごしていたのはらのいえでしたが、冬になる頃にはすっかり寂しいあばら家になってしまいました。
そして春を迎えたのはらのいえは──。
最初見たとき、『小さな家』?!と思いました。子供の頃とても大好きだった、ディズニー版の『ちいさいおうち』です。たぶん。
ディズニーほど擬人化してありませんが、窓が目のように見え、さまざまな表情に見えます。
自宅に愛着を持った事のある人なら心に沁みるお話ですよね。
家も呼吸して生きているのですね。家人がいなければ荒れてしまいますものね。
雪解けを迎える頃には、雪の重みでずいぶんあちこちが壊れた様子が見て取れます。娘と、薪置き場がないね、えんとつも折れたのかなと、細かに見比べました。
4歳の娘曰く「ちょっと悲しいけど、なんかいいお話やねんなぁ」とのこと。しみじみと。
幼稚園児にこの淡々とした良さがわかるのかと思いましたが、のはらのいえの気持ちはちゃんと通じているようです。
いい絵本だからかな。
『ちいさいおうち』に似たところがありますが、娘はこちらが良いようです。