図書館でふと目についた色彩とデザインが美しい絵本・・・。ぱらぱらとめくってみてあるページで「クスッ」と思わず笑ってしまった。あるページとはゾウガメが「・・・ぼうや」とつぶやく場面である。家に帰ってじっくり子供たちに読む・・と言ってもせりふは「ママ」と「ぼうや」しかないのだが、やたらと魂をわしづかみにするこの重さはなんなんだろう?!こどもたちももちろん夢中である。そして最後のページの解説を読んで納得した。これは作り話などではなく、実際にあった話だったのである。表紙には「ママ」としか書いてなかったのでこの時初めてそのことに気がついたというわけだ。なんと素晴らしい生命の出会い。そして異種どうしであっても魂が通じ合うという感動!!スマトラ島沖の地震はM9.2というとてつもなく大きな巨大な地震であった。阪神淡路大震災の1000倍のエネルギーである。そして地震大国日本では東海地震が専門家たちの間では秒読み段階だと言われている。今後30年に東海地震の起こる確率は87%。そしてそれと同時に連動して起こってきた東南海、南海地震はそれぞれ60%、50%と政府の地震調査委員会は打ち出している。御前崎の先端にある浜岡原発とかも考えると本当に明日は我が身であると身につまされる思いだ。この「ママ ほんとうにあったお話し」は今日本に迫りつつある危機を目の前に、唯単に感動ではすまされない重みを感じる。震災は忘れた頃にやってくる。この本を読んで日本全国のママたちに言いたいことは唯一つ。「地震の備えを万全にして、事が起きたときは全力で子供たちを守ってやってほしい。」ということだけだ。