なつかしさとファンタジーが入り混じった、おもしろい本です。お祭りのお神輿、金魚すくい、浴衣姿の子どもたち。細い路地裏。そこへ「さかなまちいきでんしゃ」が現れ、海の世界へ出発進行!タコのぼうやと、おじいさんの浦島太郎(?)を乗せて、「ザブゴト ザブゴト ザブゴト ザブゴト」。タコのお母さんたちが待つ「さかなまち」へと帰ってきます。そこには、洋服を着たいろんな種類の魚たちが、レストランで食事をしたり、ショッピングを楽しんだりしています。海の底の「下町」のような風景にも、なぜだか懐かしさを感じます。娘も、陸の上と海底の世界を、「となりまち」のように、そして、人間と魚のこともまた、「同じ生き物」として見ています。特に、タコのぼうやが、電車の中で、おじいさんから、お祭りで買ったひょっとこのおめんをもらい、家に帰って、お母さんにうれしそうに見せるシーンが好きなようです。そのほかにも、それぞれの魚がどんな服を着て、何をしているのか、場面ごとに見つけては、1人楽しくおしゃべりを続けています。