臆病者でねしょんべんたれの豆太。やさしいおじいさんとふたりで暮らしています。豆太は、家のそばにある「モチモチの木」をこわがって、ひとりでせっちんにもいけません。木の実でつくる餅は大好きなのですが。
ある日、大好きなおじいさんが、深夜に倒れてしまいます。豆太は勇気を振り絞り、お医者様を呼んできます。そして帰り道にみたものとは。。
影絵のような印象的な挿絵は、日本人ならどこかでみたことがあるなというもの。独特な日本らしさを醸し出しています。
絵本に「よんであげるなら小学校低学年」とあります。ちょっと古い言葉が出てくるので(せっちん、しもつきなど)説明を加えていくならそれくらいの年齢がちょうどいいのでしょう。
勇気と成長の物語だと思います。私個人が一番気に入ったのは、豆太が一気には成長しないところ。お医者様を呼んできたあとも、またおじいさんに甘えているという部分です。子供ってこういうふうに少しずつ積み重ねながら成長していくのですよね。
物語のクライマックスシーンの美しさは圧巻です。
ぜひ、一度手にとって頂きたい本です。