息子が三歳のころ、読みました。書店でかいじゅうのキャラクターがちょっと滑稽なので、息子も怖がらないだろうなと思い買いました。
高い山を隔てて、それぞれ孤独を抱えた、かいじゅうが一匹ずつ住んでいました。二匹はお互いの存在を知って、山に空いている穴をとおして会話をしていました。お互いのルックスを説明しあったり、会話をたのしんでいました。が、………。
けんかから始まった石の投げ合いは、高い山を切り崩す可能性を二人におしえてくれました。山は崩せるのでしょうか。両者の対面は実現するのでしょうか。
一度読んで、“一人よりは二人が楽しい”ってお話かな?と思ったんですが、深いんですね。もう一度読み直したら。
このかいじゅうたちに限らず、自分の立場や経験・考えから自分を主張しても相手に届かない。相手を慮ること、共感すること、これは人間にはできる。
ゆえに、このかじゅうたちのような、無意味ないさかいは避けられるよ。っていわれていると思いました。
息子は、石の投げ合いあたりから落ち着かなくなって、肩にしがみついて聞いていましたが、20−21ページでホッとしたのか、きゃはきゃは、笑いました。
シンプルな場面の繰り返しですが、色使いが、本当に美しかったです。
当時の私は、幼児向けには、キャラクターのかわいらしさと、色使いがやさしく、美しい絵を優先していますね。