今くらいの時期のお話かな? 幼稚園はこの時期運動会の準備で忙しいらしく、10月か11月前半に読むようにしています。 ちょっと長めだから2週に分けて読んでいるので。
このお話は、僕が小さい頃よく父にせがんで読んでもらいました。 それは絵本ではなく『新美南吉全集』だったと思いますが。 このお話が小学校の教科書に出て来た時には、なんだかメチャクチャ嬉しくて、朗読の時になると積極的に手を上げてた記憶があります。 上手く読める訳じゃないくせに。 きっと「この話は【僕の】お話だ」「僕のモノだ」みたいな気持ちがあったんじゃかいかと・・・今でも無くはないし(笑)
内容はちょっと悲しく可哀想なお話ですよね。 最後にごんが撃たれちゃうし。 幼稚園では楽しい本ばかりを読んでしまうので、この本を読む時はすごく緊張します。 お話自体も長いし、みんな飽きてうるさくなっちゃうんじゃないかって。 でも、今まで何度も読んだけど、クライマックスでうるさくする子は居なくて、みんな「しーん」として聞いてくれます。 心の中で「小さく」ガッツポーズです。
読み終わった後「ごん死んじゃったの?」と子どもたちからよく聞かれます。 僕は今まで撃たれたごんは死んでしまったと思っていたので、「たぶんね」などと答えていましたが、ある子が「死んでないよ!それからきっと仲良く2人で暮らしたんだよ!」って。 その後のことは、一人一人の想像に任せるのがいいのかもしれない、そう思いました。
この絵本を見つけた時、買おうかどうかかなり迷いました。 僕にとっての『ごんぎつね』は、父に読んでもらったお話の『ごんぎつね』だったからです。 「これは僕の『ごんぎつね』じゃない」そうも思いましたが、黒井健さんの優しくあたたかな絵を見てるうちに、気持ちが・・・。 今ではこの絵本も、大切な僕の『ごんぎつね』です。