このお話に出会ったのは、小学校の教科書でした。
この挿絵の持つ何とも言えないあたたかさ、重みに子供ながらに見入ってしまったことを覚えています。
教科書に載るくらいなので、お話はみなさんご存知だと思いますが、ごんのちょっとしたいたずらに「いけないことして!」と怒る気持ちになったり、いたずらの埋め合わせをするごんの姿に、後悔の気持ちを学んだり、子供にとっては、質の良い気持ちの体験をさせてあげられる一冊だと思います。
なんともいえない悲しい気分になる結末。
ただ「殺されたからかわいそう」なだけでなく、生きているごんから兵十へ気持ちが伝えきれなかったもどかしさ、失った命が戻らない現実の厳しさを、子供にも感じて欲しいと思います。