同じ浜田廣介の童話が、描く人でどうしてこうまで印象が変わってしまうのだろうと感じさせられた作品です。
今まで読んできたいわさきちひろさんや太田大八さんの絵は、舞台を中国に位置づけていました。
中国では龍は特別な存在です。
植田真さんの世界は無国籍です。
無国籍になったら、龍は心理世界の生き物のように思えて来ました。
少年の優しさと思いやりを受け止める存在で、優しさが弱さではなく強さに通じるような、誰もが避けようとする危険を乗り越える勇気のような存在とした象徴づけられていると感じさせられました。
このほうが浜田さんの真意をついているのかもしれません。