昔、隠居したおとのさまが子どもたちの無病息災を願って木彫りのおじぞうさまを作りました。その後おじぞうさまを収めた小屋が古くなり、子どもたちが川に担ぎ出して遊んでいました。それを咎めた役人が、おじぞうさまのお堂を直してお堂に閉じ込めました。
長崎県の江迎町に「水かけ地蔵」というおじぞうさまがあり、その由来となった民話だそうです。考えてみれば、おじぞうさまは、村の中にあっていつでも庶民の暮らしを見守ってくださるもの。おとのさまもそんな気持ちをこめておじぞうさまを作ったのかもしれません。
いつも子どもと一緒にという思いがこもっているおじぞうさまなので、お堂の中に奉られるのは本意ではなかったようで、不思議なことが起ります。子どもと一緒に川で遊んで喜ぶというおじぞうさまはとてもユニークだと思いました。
自分の住んでいる土地のお祭りにも由来があるかも知れず、他の民話も読みたくなりました。