絵本ナビのレビューが多くて好評価だったので、図書館で早速借りてきたクリスマスの絵本です。最初の見開きの小さいアンナと、最後の見開きの新しいオーバーを着て微笑む成長したアンナが、とても印象的でした。
一枚のオーバーにつまったお母さんの思いや、それを手に入れるまでに何人もの人たちの働きと、今では考えられない時間をかけて、ようやく新しいオーバーを着れた女の子。物であふれている今の生活では考えられませんが、たくさんの人たちとの関わりと優しさを、少女の新しいオーバーを通して、平和について考えさせられるとても素晴らしい絵本です。
実話に基づいた絵本だけあって、心の奥までゆさぶられました。なんでもすぐに手に入る時代ですが、本当にみんなの心は幸せなのか。戦後の物資がない時代だけれど、絵本の登場人物は貧しくても幸せに生きていると思います。幸せってなんだろうと、考えさせられる絵本です。子どもだけでなく、大人こそ読んでもらいたいです。