「ふくろうくん」に続いて読んだ「こぶたくん」。どちらも素朴で温かいローベルの絵がお話を引き立ててくれています。内容としては、「こぶたくん」のほうがさらに日常的で、小さな子どものありふれた1日や、親子の何気ない会話が、淡々と描かれていますが、みんなが自然と笑顔になれるお話ばかりです。
私が好きなのは、「おかしをやく日」。娘ともよくいっしょにクッキーやケーキを作ります。でも、このお話を読んで感動したのは、「クッキーが焼けるまでの時間」です。
「なんにもしないでいようよ。」と言うこぶたくんに、お母さんもオーブンの前で子どもたちといっしょにクッキーが焼けるのを待ちます。
「ぼく、いま しあわせ」・・・こぶたくんの言葉に、あくせくしている自分自身の毎日が見えてきて、私も、娘と何にもしないで過ごす時間を楽しめる心のゆとりを持ちたいな、と思いました。
「ポテトちゃん」のお話も、親子両方の側から、「ありのままの自分」が描き出されている気がして、なんだかほっとしました。
やっとの思いで子どもたちの身支度を整え、ようやく自分自身の支度を終えて戻ってくると、床の上には子ども達が脱ぎ捨てた服や帽子などが散乱していて、思わず泣いてしまったお母さん。
「わかるな〜、この気持ち!」・・・毎日がこんなことの繰り返しですよね。初めてそんな思いを味わったのは、一生懸命作った離乳食を、一瞬にして、娘がばーーんと手で払いのけ、一口も食べてもらえなかった日のこと。こぶたくんのお母さんと同じく、悲しくて、悔しくて、泣いてしまいました。それが今では、涙がガミガミに変わり・・・(なんだかこぶたくんのお母さんがかわいく見えてしまいます!)
娘は、こぶたくんがミトンを耳にはめる場面を、純粋に笑ってみています。
娘のお気に入りは、「これはだれだろ」。
お父さんとのかくれんぼ・・・布団の中から飛び出しているふたつの耳を見て、「これは なんだい? でっかいひぐまかな?」と、たずねるお父さんに、「ちがうもんね」と、こぶたくん。
「わかったぞ」、「ちがうもんね」・・・いつまでも続く楽しい遊びは、娘との日常そのもの。
娘が1番大好きな遊びです。大きくなったと思っても、こんな単純な遊びが何よりも好きなんですね。かくれんぼでも、鬼ごっこでも、親が自分を見つけてくれる、追いかけてくれる、という嬉しさが、愛されているという安心感に直結しているのかな?と感じます。
今夜も、絵本を読み終えると同時に、布団の中にもぐりこみ、くすくす笑いながら待っている娘。
「このもじゃもじゃさんは、誰かなあ?ひつじさんかな?」「ちがうよ!」・・・いつまでやっても飽きません。最後は、「ママの子だよ!ママのたからもの!」