ロシアの有名な民話です。
子どもにとって、繰り返しが多い民話はとても魅力的。
民話や昔話の絵本は、幼児期に、ぜひ読んであげたいと思っていました。
おじいさんが、おばあさんに頼んで、
残り少ない小麦粉をかき集めて作った「おだんごぱん」。
でも、おだんごぱんは冷ましている間に寂しくなって、
家からころころ転がって逃げてしまいます。
「おだんごさん、おだんごさん。おまえをぱくっとたべてあげよう」
「いや、うさぎさん、そうはできないよ。あんたに、うたをきかせてあげるんだからね」
まるで歌うようにリズミカルな文で、読んでいるだけで楽しくなってきちゃいます!
瀬田貞二さんの訳が秀逸です。
動物たちからもどんどん逃げて、おだんごぱんは最後にきつねに出会います。
きつねはおだんごぱんに
なんてあなたはきれいで、なんてほかほかやけてるんでしょう」
と褒めちぎります。
気をよくしたおだんごぱんは、また歌を歌います。
きつねは「みみがとおくてね」とおだんごぱんを騙して、
鼻の先やべろの上で歌を歌うように頼みます・・・
とうとう、おだんごぱんはつかまって食べられてしまいます。
こういうお話の中で、きつねがずるがしこいのって、
万国共通なんですね。
裏表紙で、きつねの口にくわえられたおだんごぱんの、無念そうな顔がなんとも言えません。
息子は、リズムに乗ってちょっと早口で読んでやると、楽しそうに聞いています。
意味は分かってないかもしれませんが・・・。
このお話って、どんな感想を持つのか、その子によって分かれるでしょうね。