白くて毛並みのきれいなオルゴールつきのくまのぬいぐるみ、
真っ赤なシルクハットだってかぶってるおしゃれなぬいぐるみ。
くまの名前は“さわらないで”それは、おもちゃ屋さんにディスプレイされてるときに
その張り紙が貼られていたから。
くまは、そんなおしゃれな自分がとっても自慢なんですが、
女の子の家に来てからのくまは、何かと憂鬱な日々を過ごすいのです。
そんなくまの気持をよそに、蜂蜜を食べさせたり、真っ白な毛並みを汚したり、
お風呂に入れてオルゴールの音が出なくなってしまったり・・・。
でも、女の子はどこへ行くにもくまを連れて行っては“だいすき”と伝えるのです。
だって、どんなにみすぼらしい姿になってもお気に入りのくまには変わらないから!
それ以上に一緒に過ごした日々の分、愛情がいっぱい詰まっているのです・・・。
女の子の温かい愛情に包まれて、自分の名前は“さわらないで”じゃないんだ!
“だいすき”なんだ!って感じるようになったくま。
自分がどんな姿になろうとも、女の子と一緒にいることが幸せなのだという気持ちに
変化していき、周りの物へもやさしい気持で接するようになるのです。
この絵本の挿絵は色遣いがとってもきれいで、まるで絵画を見ている様!
くまの自慢の白い毛並みも繊細に描かれていて、さわり心地も柔らかで、
女の子が気に入ってしまうのもよく分かります。
私が子供時代に気に入ってたぬいぐるみ、
そして娘や息子が今でも気に入ってるぬいぐるみを感じながら読むことができました。
その、子どもたちが気に入ってるぬいぐるみももうクタクタになってしまったり、
お耳が取れた物だったり、毛玉だらけになったぬいぐるみや壊れたおもちゃ。
大人からから見るとガラクタに見えたようですが、子供時代の私にとって、
そして子どもたちにとっては大事な宝物!
懐かしい思い出に浸ってしまいそうなくらいに描かれたこのお話しは、
そんな風に誰でも経験のあるおはなしじゃないかな?
たくさんの思い出をを一緒に過ごした物だからこそ、本当に大事な物“だいすき”になるんですね!
読後に、たくさんの大好きや温かい愛情を頂いてほんわかしてきました。
そして、なんでもありふれてるこの世の中で、物を大事にしよう。
と、考えさせられるお話しでもありました。