水場を目指したシロサイのライノが何度か「もう駄目だ」という場面に追い詰められながら、生命の綱を手繰り寄せて最後には助かるシーンを読み返して何度も感動を反芻しました。危機に瀕したまさかの時に「ちょっとおしゃべり」という普段はマイナスに見られていたライノの性格が仲間を勇気付ける言葉となり、危機から救いました。サイを密猟する悪い人間がいる一方で、動物を助ける人間もいて、人間も案外捨てたものでは無いという前向きな気持ちで読み終える事が出来たのは良かったです。長新太さんの絵は、私は普段苦手としていますが、この絵本だけは例外で、彼の良い部分が最も表現された作品だと思います。