「餅を持ってこなければ、人も馬も食い殺すぞ」という恐ろしい脅しに、何を考えたらいいのでしょう。
決死の思いで餅を届けようとする引け腰の男二人と、目的をまっとうしようとする老婆に、いろんな人間模様を被せることのできるお話です。
ところで、このお話は後半で一転します。
村人を脅したはずのやまんばに、全く悪意はなかったのです。
生まれたばかりで世間知らずの子どもの戯言だったことがわかります。
しかも、間違いなく犯罪級の脅しでした。
やまんばが思いやりと分別がある良い人だと解るにつれて、常識的にはありえない展開に戸惑ってしまいました。
私達にもやまんばに対する先入観があります。
めでたしめでたしで終わるお話に、釈然としないのは何故でしょう。