娘はジブリを先に見ている。同時にとても気に入ったようである。原作のこの角野栄子本を手にしたのも、その影響からとも想像できる。7歳にしてはかなりの文字量であるのに、一気に読んでしまった。それに、「ぜんぜんちがう!映画もおもしろいけど、こっちはもっとおもしろいよ」と興奮していたのを今も思い出す。
キキ13歳といえば、中学生になるころの話である。文章を聞きながら、現実を捉えながら、1つずつ理解してうなずく娘。「心配は起きたときにすればいい」とか、「こんなことじゃいけない。何かあたしにできるものを見つけなきゃ」とか、自らのことのようにうなずくのでした。
林明子の挿絵も控えめでよい。黒いペン書きから生まれた黒い魔女のキキとジジは、259ページの中を自由に飛び回って、いつも娘を見守っていてくれた気がする。独り立ちの苦さと甘さを味わった娘。すでに第二巻目を狙っていたのでした。感謝。