僕は小学6年生。いつも友達の山下と川辺と3人でつるんでいる。
ある日、山下のおばあちゃんが死んだ。
僕ら3人の頭に降って湧いた疑問--「死んだらどうなるんだろう?」 川辺が言うには町外れに生きる屍のようなおじいさんがいるそうだ。
ぼくらの「おじいさんが死ぬ瞬間を見届ける」観察が始まった。
でも僕らが見張りを続けるにつれて おじいさんは元気になっているような気がする。
序盤は少年たちとおじいさんの見張りする側、見張られる側の合戦がコミカルに描かれ、とにかく笑いっぱなしです。
だんだんと近しい間柄になり色々と話をしてゆくことで少年たちは逞しく成長してくるのです。
それぞれに抱えた家庭問題などにも強く立ち向かえるようになります。
そしておじいさんも少年たちに悪態をつきながら楽しそうなのが読んでいて心地よいのです。
せつないエンディングではあるが 最後に山下君がつぶやく一言がずしんと胸に響きます。
「死ぬ」とは「生きる」とは・・・子どもと老人の楽しいやりとりからしみじみと考えさせられる小説です。
小学生などに是非読んで欲しいと思います。