収録されている三編のお話が、それぞれに主人公の苦労話で、ちょっとホッとするような話であったり、かわいそうな話であったり、味わいのある本でした。
1 「おにさんはどこにいる」
居場所を失った鬼たちが、行き着くところ人の心の中なんて、皮肉たっぷりです。
2 「ネズミの春」
水が春を象徴しているという発想が不思議ですが、さ迷い歩く母子ネズミは、母親の方が貪欲でした。
3 「タケノコ タケぼう」
出場所を求めるタケノコって、上から押さえつけられたり、邪魔にされたり、地下茎って大変ですね。
春先にお薦めの本だと思います。