湯本香樹実さんの絵本!ということで、確か、出版されてすぐに飛びついて買いました。(なぜか、今まで感想は書いてなかったみたいです)
絵は大好きな酒井駒子さんが描かれています。
モノクロの絵の中で、おそらく主人公のくまにとって、とても大切なものとしてとらえているところだけが、赤く表現されている部分があり、印象的でした。
小学生くらいの子どもたちにとって、「身近な人の死」はなかなかあることではないので、くまの気持ちを考えるのは難しいかもしれませんが、この絵本に触れることで、大切なものがいたはずの(心の)スペースの喪失感みたいなものは、受け取れるんじゃないかと思います。
やまねことやまねこの奏でる音楽で心の再生ができたくまの未来が明るいものであることを祈りたくなります。
この絵本は小学生くらいのお子さんでも読むことはできますが、私が個人的にお薦めしたのいのは、「大切な人」を失った人たちです。
ただし、経験的に失った直後ですと、この絵本のくま君と同じで“何もする気がなくなる”し、本を読んでもそこに活字がある認識だけで、言葉として心に届かないことがあると思いますので、
万が一、誰かを失って心が傷ついている人にこの本をプレゼントしたり、薦めたりするときは、直後ではなく、半年以上たってからがおすすめかと思います。