この本は臆病な馬が「あたし」の病気のため、懸命にそりを引いて病院へ送り届けるお話です。
生まれてみたら赤毛の馬であったというところからお話は始まります。
赤毛の馬は、実際にはすごくきれいな馬だと思いますが
その目立つ風貌とは正反対の臆病者。
カエルに驚き、アヒルに煽られます。
競馬好きの私は「こりゃ逃げ馬(先行型)にしかならんな」などと余計な詮索をしていたら、
競馬馬になってもうだつが上がらないというシーンが・・・。やっぱり・・・。
あえて「あたし」と「馬」と表現し
名前をつけていないところが、さらっと読めるつくりになっています。
言葉もとても韻を踏んでいて、楽に読めます。
背景がベタ塗りのシーンが多く、
そのせいか、ゆったりした北海道の牧場をとても思い起こさせる、素敵な一冊です。