作者八島氏の恩師、二人の先生の思い出を合わせて作った「いそべ先生」。
友達から、そして先生ですら、誰からも相手にされずに、みんなにからかわれていた「ちび」。
雨の日も嵐の日も1日も休まず、5年間学校に通って来た「ちび」。
6年生で新しく「いそべ先生」がやってきて、「ちび」の誰も知らない才能に気付き・・・
昭和初期の頃の話でしょうか・・・
独特なタッチの絵が、一層古臭さを感じさせ、子供にとっては、なかなかとっつきにくい絵本かもしれません。
それでも、ぜひ子供に読んであげて欲しい絵本。
知らず知らずに人を傷つけてしまう人間の冷たさ。それに日々慣れていってしまう学校生活。
時代は変わっても、同じようなことは現在でもあるはず。
「ちび」と「いそべ先生」の出会い。
本当にこんなすばらしい先生ばかりならば、日本の教育現場はとてもいいものになると思う。
5年間「ちび」はどんな思い出学校に通い続けたのでしょうか。「いそべ先生」との出会いで、たった1年だったけど、学校という所が「ちび」にとって、少しでも好きな場所になったことを、心から良かったと思って読んでいます。
ラスト数ページは、涙なくしては読めません。
悲しい涙ではなく、良かったねってホッと安心できる気持ち、そしてすばらしい先生への感謝の気持ち、そんな涙です。
今現在教壇に立っている人、これから教師を目指す人、全ての人に読んで欲しい一冊。